「山中城」攻略

日本100名城の1つ、40番目の山中城についてまとめます。様々な工夫が凝らされた、街道に立ちふさがる堅城です。その内容と妄想の一部を紹介します。個人的な考察のため、悪しからず。なお、この城の詳細な歴史に関しては他のサイトでも紹介されているため、ここでは触れません。

場所

山中城静岡県三島市三島駅」から東海バス元箱根港行き)で30分ほど、「山中城跡」で降りるとすぐの場所にあります。バスの詳細は東海バスのホームページにて。往復1240円かかる場所ですが、「みしまるきっぷ」というバス乗り放題券であれば1000円で済みます。このバスはいくつかの観光地を通り、三島スカイウォークまでは観光客が非常に多いです。そこを過ぎればスカスカ。むしろ全員三島スカイウォークで降りるといっていいと思います。

 とにかく場所の詳細は山中城跡公園のホームページにて。

西からの進行を街道で止める要塞

西から小田原へ進行する隊を食い止める要塞として、東海道沿いに築かれました。東海道を覆うように存在し、特に岱崎出丸は道に沿って堀や土塁が横たわっています。東海道沿いで南より進行するには骨が折れます。攻めることを考えるとやはり南と西。

街道沿いの畝堀

山中城の特徴の一つである岱崎出丸。街道から進行する部隊に横からダメージを与えることができます。だからこそあえて城がこの形をしています。

そこには帯状に伸びる畝堀。現在ではきれいに復元されています。ここから攻めれば、堀に落ちたときは戻れず狙われ、畝から進んだときはそこを狙われるでしょう。ターゲットを絞ることができるため、非常にうまい作りと言えます。私ならここで死んでます。

高台の岱崎出丸

高い位置に曲輪があることで、敵を狙いやすいだけではなく、相手をいち早く見つけ体制を整えることができます。

後でも書きますが特に山中城駿河湾と平野を一望できます。さらに曲輪には北条流の土塁、南北を分ける堀、敵を集めるすり鉢状の堀を置き徹底しています。

西を守る巧みな設備

山中城のもう一つの特徴は石垣を使わない山城であること。しかし土だけの城でも敵を退ける設備が揃っており、北条氏の技術を集約した城と言えます。

有名な障子堀だけではなく、障子堀と畝堀で囲った角馬出と西の丸、それらの内側で囲う土塁があります。私なら先述の畝堀の経験があれば、堀から攻めず馬出に直接向かおうと考えますが、相手の思うつぼです。

抜かりない二の丸と本丸

西の丸まで入ればあとは二の丸、そして本丸です。しかしその間にも畝堀があります。架橋があるため渡ることはできるものの、戦時ここまで攻められていれば橋は焼き落としておくでしょう。

また北側には非常深い堀があり、回り道はしにくいです。私なら南に回って本丸へ。しかし仕方なく堀から登っていくと思いますが、狙われるでしょう。

所感

これまでいくつか北条氏の城を見てきましたが、それら以上に時間をかけて見入ってしまいました。きれいに復元された遺構が想像を掻き立てられました(残念なことは、2019年の台風で一部の斜面が崩れていたこと)。

本来であればこれだけ堅い城も、数には勝てず半日で落城。ここであと1日2日耐えて、豊臣方の戦力を落とせていたら、その先はどうなっていたでしょうか。

個人的には計3回死んでいますが、あれだけの大軍であれば犠牲はあるものの物理的なダメージだけではなく、精神的なダメージを与えることが可能だと思います。

 ぜひ山中城に行ってみてください!